1次 証券分析


1次試験で最もボリュームが多い科目が証券分析です。証券アナリスト試験のうちメイン科目です。


この科目は、多少複雑な数式を使い、専門用語も多いので、初めての場合には苦戦するかもしれません。しかし、理系の人や統計学の知識がある人は、馴染みやすい科目だと思います。


2次試験では、証券分析の比重が高くなるので、余力がある場合には3科目のうち、最も力を入れて勉強するようにしましょう。


それでは対策です。

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1次 証券分析 重要な範囲

証券分析は、現代ポートフォリオ、債券分析、ファンダメンタルズ分析、株式分析、デリバティブ分析、証券市場の機能と仕組みから構成されます。


この科目は、まんべんなく広く浅く出るが、公式さえ覚えてしまえばそれで解ける問題が多いというのが1次試験の特徴です。(ただし、多少計算が複雑な場合も多いです。)


浅く広い中でも、重要になるのが次の論点です。


・現代ポートフォリオのCAPM
・債券分析のうち債券価格を求める方法
・ファンダメンタルズ分析
・株式分析
・デリバティブ分析のうち先物とオプションの基本的な部分、プットコールパリティの式


1次 証券分析の対策講義

証券分析では、1次2次ともに、基本的な2つの共通する考え方を理解していれば8割方クリアできます。
それは、無裁定現在価値の二つです。


基本的に、証券分析の科目でやることは、価格を求めることです。
その際、◯◯=●●+▲▲といった式をたてて求めることになります。この式の多くは無裁定から導かれます。


無裁定とは、裁定取引(wiki)がない状態のことをいいます。要は、100円の価値のものには100円という価格が付くということです。イメージとしては、持ち続ける場合でも、今すぐ売っぱらう場合でも、どちらが有利ということはない(ので式が=になる)という状態です。どちらかが有利ならみんながそうしてしまうので、理論的にいきつく状態だ、という理解ですね。


現在価値は、複利で運用することを前提に、将来のお金を現在の価値で換算したものです。今年1年間の利回りが10%としたら、今年100円もらって10%で運用するのと来年110円もらえるのは同じことですね。つまり、来年の110円は、現在の価値では100円となるわけです。これは、時間が違うと価値が違ってしまうので、比べる時点を現在に合わせてあげようねという趣旨です。


あとは、現在価値の合計(持ち続けた場合の将来の収益)は現在の価格(売っぱらう場合)と同じだしーとか、日本で1年間運用した場合とアメリカで1年間運用した場合の結果は同じだよねーという具合に式を立てれば、価格なり為替レートなりいろいろ求まってしまうわけです。そして、ほとんどの公式は、この考えを数式にしただけのものでしかありません。なお、わからない場合は、諦めて公式を覚えましょう、点が取れればいいんです


さて、重要な範囲について少しだけポイントを紹介します。


CAPMは、ポートフォリオ理論の基礎です。期待値や分散や共分散を使うので多少式に慣れる必要がありますが、単純に回帰分析をしているだけと考えればわかりやすいです。


債券分析では、フォワードレートとスポットレートの違いに注意しましょう。今後3年間の利回りは平均して3%という場合でも、1年目、2年目、3年目が全く同じ3%ということは普通ありえないのです。平均3%のことをスポットレートといい、各1年毎の利回りをフォワードレートと言います。(ざっくり)
要は、どの利回りを使って現在価値を求めればいいかだけなので、わからなかったら覚えましょう(笑)


ファンダメンタルズ分析と株式分析は、別の科目である財務分析と内容がかなり重複するので、試験全体で見た効率をあげるためにも集中して取り組みましょう。数式が簡単な場合が多いです。


デリバティブ分析のうち、先物とオプションの基本は、仕組みは実はかなり簡単です。証券会社のページなどにも解説があります。あとは、プットコールパリティの式だけを覚えて、それ以外の難しい部分は捨ててしまいましょう。深入りするとドツボにハマる部分です。


なお、証券分析のポイントは、公式を使って計算するだけの問題が非常に多いということです。つまり、①公式を覚えて、②計算を繰り返し練習して速度をあげる、だけで合格できるのです。難しく見えても、試験に向けて実際にやることは非常に単純だということを覚えておいてください。


1次 証券分析 書籍や勉強方法

まずはテキストや書籍ですが、TACが非常にシンプルでおすすめです。


TAC以外には、ABC証券アナリスト受験対策室と経済法令研究会の書籍がありますが、シンプルさにかけます。詳しくやりたいなら、通信教材を見ればいいのです。通信教材以外に市販の書籍を買う以上、合格のために必要最小限のものがコンパクトにまとまっているかなどの効率性をまず重視すべきだと思います。この観点では、明確にTAC一択になります。


使う書籍は、次の2冊です。


関数電卓はあると便利ですが仕事での使い道は少ないはずなので、機能が多く安価なもので十分です。
シャープ スタンダード関数電卓 
(計算に時間がかかり不安な人は、持って行きましょう。余力がある人は、いりません。)


間違っても、証券アナリスト協会の推薦図書(PDF)にある新・証券投資論Iなどは購入しないでください。これらは、金融でもアクチュアリーを受験するようなレベルで必要となる書籍であり、証券アナリストには1次2次関係なくオーバースペックです。(もちろん、専門性を高めたい人はぜひ読みましょう。)なお、数学再入門なども買うだけムダです。


業務や学業などで既存知識がある人は、テキストはやらず先に過去問から入りましょう。既存知識がある以上、わからない部分だけテキストを読むほうが、早いからです。


そうでない人は、まずはテキストのうち重要な範囲の部分のみ集中して取り組み、その上で過去問です。まず、重要な範囲について確実に点を取れるようにするため、重要な範囲の過去問を全てを3回は繰り返して解き方を覚えるようにしてください。分量は、TAC過去問の数問ずつなので、そこまで多くありません。(TACの過去問は、テーマごとのまとまりが良く、かなり使いやすいです。)


そのうえで、通信テキストに過去問がついているので、それを1年分すべてやってみます。(重要な範囲は同じ問題を繰り返しやっているので満点のはずで、それ以外は、選択肢が少しでも絞れたいいというレベルなはずです。)それで、自分の得点を把握してみましょう。既存知識や選択肢の絞り具合によりますが4~5割前後になるケースが多いはずです。毎日取り組み、ここまでを2週間以内に行えるとベストです。


あとは、総まとめテキストの「過去の出題一覧および重要度」で、「◎もしくはA」になっている部分で、自分がやりやすいものを探して20点分を上乗せしましょう。ここは、好みの問題ですが、重要な範囲のうち、やっていて楽だったものや、過去問をやって理解しやすいかなと感じたものをやるといいです。既存知識が増えている分、速度はあがります。(テキストを一読→過去問3回を繰り返してください。)


あとは、試験直前に、証券市場の機能と仕組みのような、読み物レベルのものを押さえて試験に挑めば、期待値は合格ラインを上回っています。TACのテキストを半分くらい無視できていれば正解です。


他の科目との兼ね合いもありますが、時間に余裕があれば、リスクを減らすためにも、まだ手を付けていない重要度が高い部分(Aや◎の論点)をどんどん埋めていきましょう。なにはともあれ、まずは合格ライン確保のために範囲を集中し、その後、細かいことをやっていくという順序は忘れないでください。



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